しかし、時間はたんまりとある…とは言ったが。
12月に入ると、全国大会に向けてか部活がかなり忙しくなってしまった…。
夕練となれば、近くの大学の練習場や室内練習場のある高校へ行き、遅くまで練習。
週末となれば、雪のない地域へ遠征。
などなど。
自分のことどころではなく、あっという間に時が過ぎてしまった。
前に進むどころではない。
まあ…仕方ないか。
瞳真くんとの全国大会。
これも、目標にしていたことのひとつ。
ひとまず、今はこっちに集中しなければ。
そうして、また時が過ぎていく。
あっという間に、2学期最後の日を迎えてしまった。
「おはよーさん、伶士」
「あ、チカ。おはよー」
本日は終業式なので朝練はなし。
なので、普通の時間に登校する。
玄関で靴を履き替えていると、チカに遭遇した。
教室は隣同士なので、道中一緒に向かう。
「学校今日で終わりかぁー」
しみじみと呟くチカだが、それに対してさりげなく一言付け加えてしまう。
「でも俺達、遠征明日出発だな。休みって感じしねえ」



