俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

これは、どんな心境の変化だろう。



むしろ、なぜこんなにムキになったりしていたのか。

あんなにプンプンに怒っていたのにな。



…いや、考えればムッとしないワケじゃないんだけど。

でも、さっきのように怒りに支配されることは…ない。



まるで、さっきの『嫉妬心』が。

何かの拍子に持ってかれたみたいに。



何で急に?



何でだろう…。

その事自体が、ものすごい違和感で…引っ掛かる。



…いやいや、確かに自分がものすごくだっせぇことしているとは、薄々自覚していたところではあるけど。



でも、だからって。

こんな一気に心境が変化するとか…ある?



自分自身の謎について、ついつい考え込みながらも、チョコ買い物中の美森の後ろを着いて歩く。

「伶士、伶士!私、これ買う!東先輩にこれ買う!」

美森は気に入ったチョコを見つけたらしく、興奮気味にショーケースを指差していた。

それは…高級そうな柿ピーチョコ。

へぇー。東先輩が柿ピー好んで食ってたの知ってたか。