飛び付くように、その入り口を潜って走って中に入っていく。
その後を呆れながら着いていくんだけど。
…美森は元々、本命チョコを選びに来ていたんだ。
思う存分買ってくれ。
さて、俺は…。
辺りをぐるっと見回す。
しかし、ここでも違和感を肌で感じてしまう。
何か…この会場。
天井、どんよりとしている。
うまく言えないけど…嫌な感じ。
しかし、地上はどのテナントにも、ショーケースを覗くカップル、お会計に並んでいるカップル。
お買い上げ商品の袋をぶら下げて歩くカップル、ウキウキしながら手を繋いで歩くカップル…。
カップル、カップル…カップルだらけだ。
なずなとあのイケボヤローの姿は、見えない。
ボーッとしながら、その人だらけの華やかな会場を漠然と見回していた。
(………)
…何でだろう。
何故か、俺の心の中には、先ほどのような執念が沸き上がってこない。
そこにいるはずだったのは俺だったのに!とか、二人を追いかけてやろうだとか、散々気になっていたはずなのに。
今は、不思議とその『嫉妬心』とやらが、胸中から消え去っていたのだった。
その後を呆れながら着いていくんだけど。
…美森は元々、本命チョコを選びに来ていたんだ。
思う存分買ってくれ。
さて、俺は…。
辺りをぐるっと見回す。
しかし、ここでも違和感を肌で感じてしまう。
何か…この会場。
天井、どんよりとしている。
うまく言えないけど…嫌な感じ。
しかし、地上はどのテナントにも、ショーケースを覗くカップル、お会計に並んでいるカップル。
お買い上げ商品の袋をぶら下げて歩くカップル、ウキウキしながら手を繋いで歩くカップル…。
カップル、カップル…カップルだらけだ。
なずなとあのイケボヤローの姿は、見えない。
ボーッとしながら、その人だらけの華やかな会場を漠然と見回していた。
(………)
…何でだろう。
何故か、俺の心の中には、先ほどのような執念が沸き上がってこない。
そこにいるはずだったのは俺だったのに!とか、二人を追いかけてやろうだとか、散々気になっていたはずなのに。
今は、不思議とその『嫉妬心』とやらが、胸中から消え去っていたのだった。



