俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

(………)



…だが、そんな事にめげてる場合じゃない。



俺は、なずなに。

今まで出会った、ただの『依頼人』の一人とか。

ただ通りすがっていった人間の一人だと、思われたくない。



それに、この『好き』な気持ちは代えられない。



だから前向きに行く。

そう決めたんだ。



《また明日な?》



…明日のために、ただ、強く前に進む。





『…今度、聞けたら聞いてみる』

『おー。何かわかったら教えろよ?…じゃあウニイレやるべ』

『うん』




話は、そこで終わり。



…で、その後、その事を聞けたかというと。



聞けているワケがない。



結局、前に進んでなかった。

有言不実行ヤロー。



またしても、ずーんと落ち込む。



(………)



…いや、そこはもう切り替えろ。

時間がないとか切羽詰まってるワケじゃない。時間なんてたんまりとある。

ポジティブに考えるんだ。

なずなに、ネガ男なんてもう言わせないぞ。(←結構気にしてる)




改めて、決意を胸に。

人が行き交う夜の街並みを、ただ見つめていた。