俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~


そんな、ちょっとざわついた中でも、列が前に進んだ。

ひとつ遅れてエレベーターに乗る。


「ち、ち、ちょっと何も見えないんですが!」

身長150㎝弱の美森は、人混みに埋もれている。

俺のコートの端をがっちり握っていた。


中は満員でキツいエレベーター。

こっちの方が倒れそうになるけど。



(………)



…先ほどの違和感が、まだ気になっていた。






そうこうしてるうちに、会場直通エレベーターは、ポーンと音を鳴らしてスッと開く。

そこは…随分と華やかな会場だった。

イメージカラーなのか、ピンクとブラウンのリボンやバルーンの装飾で鮮やかに彩られている入り口。

中には、たくさんのテナント、売り場が並んでいて、人の量も多い。



「わあぁぁ!すごーい!」



そんな可愛らしい会場を目にして、美森は目をキラキラさせている。

やはり、女子か。



「れ、伶士!伶士!私もチョコ買いたいっ」

「…おう、買え買え」

「きゃー!」