俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

でも、音宮陰陽事務所が、陰陽師であるおじさんの会社だとしたら。

その社員であるなずなは、ひょっとしたらリラとは知り合いかもしれない。



だなんて…複雑すぎるな。



『伶士、今度なずぽよに聞いてみろよ。おまえら仲良くなったんだろ?』

『………』



瞳真くんにいきなりブッ込まれるが。

快く了解の返事が口から出せずに、黙ってしまう。



仲良くなったんだろ?って?

そう言われると、うーん…。

同居してた時は腹割ってたけど。

その後は、まともに話せてないもんな。

この間、一緒に積丹行ったっきり、学校では『おう!伶士おはよー!』『お、おはよ』ぐらいしか言葉を交わしていない。



俺的にはもっと話したいんだけど。

お互い学校でも、それぞれの友達と忙しくしている。

考えたら、ギャルなんて違う世界の住人。

接点も共通の友達もいない。



いざ、話し掛けるといっても。

話すことがない…。

『元気?』とか『調子どう?』で話終わる。

俺達の関係って、こんなもんか…と、思うとずーんと落ち込む。