俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

しかし、俺には大したことあっても、瞳真くんには大したことないのなら。

その周りにいる颯太やチカにとっても、大したことない…のか。

見方の問題。



「伶士はさ、大したことないことを変に気にしすぎてクヨクヨ悩みすぎ。もっとどーんと構えてけよ」

「…言ってくれるよね」



変に気にしすぎて。

クヨクヨ悩みすぎ。



(………)



…すると、今度は別件をふと思い出してしまう。



それは、昨日の失態…。



俺も説明不十分、なずなは話を最後まで聞かずの食い違いすれ違いの上、お誘いがポシャり。

その用事は何とかなったらしいが、結局どうなったのかわからず。

やめたのか、それとも違う男と行くのか。



それとも…。



《おっ!なずじゃねえの!》



まさか、昨日電話の向こうにいたイケボ男じゃあるめいな。

しかも『なず!』って、ギャル並みに短縮しまくりの愛称で呼びやがって。

しかし、その呼び方でその親密度が量れるのは言うまでもない。

数日同居した俺でさえ、名前そのまま呼び捨てというレベルなのに。

なず?

何?その親密度…!

俺より上…うおおぉぉっ!