俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

イケメンのくせに、やることいちいち微妙なんだよな。瞳真くん。

しかし彼は、せづマネの試合は欠かさず観戦しに来てる。

ホント、ファンのおっさんだ。

もしくは、せづマネの付き添いスタッフ。いくらカノジョだからって…。


すると、ふと先日のことを思い出す。



「…そうだ、瞳真くん。颯太に俺の家のこと喋ったでしょ。秘密にしといてって言ったのに」

すると、ポテチをバリバリ食べながら「…あぁ?あぁ…」と、本人もわかってるのかわかってないような、なんとも微妙な返答をされる。

「あ、ごめんごめん。大したことじゃないと思ってたからつい」

「つい、って…大したことだよ」

「そう?大したことないことを秘密にしてクヨクヨ悩んでるよなー?って思っちったからさ。つい曽根に喋っちった」

「もう…」

口をつぐんでしまう。



瞳真くんには大したことなくても、俺には大したことあるんだよ。

この『橘』のおかげで、どれだけ嫌な思いをしてきたか。