俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

しかし、中三の引退試合となる全国大会で、復帰には一年以上かかる大怪我をしてしまう。

自分のサッカーは諦め、マネージャーへと転身していた。


…が。


それを聞き付けたのが、高校女子サッカーの北海道代表校である、南十字星女子学院のコーチ。

そのコーチに誘われて、ちょうど一年前、なんと…フットサルの女子チームに入団することになったのだ。

高校の部活を優先し、空いてる時間にチームの練習に参加。

そして、部活がオフシーズンに入り、チームの練習試合に出ることになる。



美森が見たい見たい応援したいと騒いで、俺達一年部員全員半ば巻き添えで、こうして本日はるばると小樽へやってきた。



せづマネは取り敢えず、すごい。

あのドリブル技術、フェイント何回かけてんだ?俺、ディフェンス出来るだろうか。

スピードも、シュートのパワーも半端じゃない…!



しかし、そんな凄い選手の凄い試合を見ても。



(はあぁ…)



ため息は止まらず。

昨日の失態の件が頭を過る。



「何そんなにずーんとしてんの」

「………」



隣の席にいるのは、俺の幼なじみである先輩。

ポテチバリバリ食べながら、試合をみてる…。

追っかけのおっさんか。