…いやいや、そうじゃねえよ。
俺、行けるんだよ。
何なら、時間調整出来るんだよ…!
行けるんだよ…なのに!
人の話を…最後まで聞けぇっ!!
ついさっきまで使用していたスマホを、怒りを込めてカッと睨み付ける。
まるで、それをなずなに見立てて。
俺、今、怒りの炎がゴォッ!と吹き出し、背中に背負ってるぞ!スタンドのように!
…しかし、そんな怒りを表現するその裏では。
ザワザワとした不安も。
それに、他当たるって…どういうこと?
まさか…俺がダメだったから、他の誰かをお誘いするのか?
いやいやいや。女友達のみっちょやむーならまだしも。
もし、それが他の男だったら…!
…うおおぉぉぉっ!
それは、マズイ!
スマホの画面を開いて慌ててLINEをする。
《明日の件どうなったんだ?》と、送信した。
挙動不審気味にソワソワしながら返信を待つ。
「伶士さま、どうなさいましたか?今の電話、なずなさんですよね?」
「いや…あまり気にしないで…」
忠晴に心配されんの、切ない。



