「大学でもサッカーやんの?」

「いや、まだそこまでは決めてないです」

「へぇ、なら大学では北桜で空手やるってどうよ?北桜は空手なかなか強いぞ?おまえなら全国区も狙える選手になるって!」

「え…」

「まあまあ、時間はまだ二年ぐらいあるから選択肢のひとつにでも入れておけよ。でも、おまえなら絶対イケると思うんだよなー。イケメンだけど、チャラチャラしてねえし」

「………」

…それ、関係あります?



しかし、ちょっと興奮した。

あの高瀬さんにそこまで言われると、ちょっと自信になる。

「また来いよ!俺の相手してくれ!」なんて言われたし。



帰り道でも、その興奮は冷めやらぬ状態で、一人でえへへ…と、笑ってしまうが。



…いや、ダメだダメだ。

自分を甘やかして調子に乗らせたら。

道程は恐らく長いんだぞ。



腕っぷしを褒められたって…なずなだって強いだろ。

陰陽師小学校で、格闘技やってんだから。

あれはバカに出来ない。

男だけじゃなく、妖怪相手にもバッタバタ…。



俺は…なずなに勝てんのかな。