『き、聞いたことないよ!…音宮のおじさん、陰陽師なの?!』




んなバカな…!



しかし、そうとなると、繋がってしまうことが、ひとつ。



俺は瞳真くんにとあるものを差し出す。

それは、菩提さんと初対面の際にもらっていた名刺だった。



「音宮陰陽事務所…?音宮?」



その名刺を見て呟く瞳真くんに対して頷く。



「それ、親父の会社の顧問陰陽師っていう人なんだ」

「へぇー…音宮のおじさんの会社?」

「さあ、わからない。代表はその菩提さんって書いてあるし、音宮のおじさんのことは何も…」

「ふーん。そういや音宮のおじさん、何してんだろ。全然姿見ねえな。今日も来てないし」

「うん…」



親父たちの親友、音宮のおじさん。

あの北桜学園で中高と六年、三人はずっと一緒だったらしい。

見た目は年齢より若く、いつもミリタリージャケットにゴツい黒のブーツを履いてちょい悪オヤジな雰囲気のおじさん。



音宮のおじさんに最後に会ったのは、いつ頃だろう。

よくよく考えてみる。