俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

真っ黒い巻き髪に小麦色肌でギャルメイク、見方によればR&Bシンガーのような見た目のむー。

その姿とは裏腹に、喋り方は独特だ。

確か…なずなとは同中。



「…どうやらこのバレンタイン催事、超スペシャルならしくてな、入場料無料だが、男女カップルじゃないと入場出来ないらしい」

「へー。チョコ買うのに男女一緒?」

「イートインスペースもあってな、レア高級なチョコやスイーツを肴に、カップルでバレンタインを楽しむのがコンセプトらしい。だから札幌のチョコ好き女性は、その催事に入場するのに、血眼になって一緒に入場する男探してるらしいぞ。4チャンほくチャンワイドショーでやってた」

「ちなみにみっちょも行く相手がいない」

「…なずぽうるせえぞ!マジムカつくば市役所!…ああぁぁっ!食べてみたいんだよ、ヨーグルトのようにスプーンで食べるチョコレートぉっ!」

「みっちょロンリーか。…へぇ。赤丸デパートでやってんだ」

壱丸デパート…母さんの実家の百貨店だ。

それとなくチカの後ろからそのチラシを覗き込んでみる。



すると、「きゃああぁぁっ!」と叫ばれて体がビクッとする。