俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

「て、天然うっかりさん…」

「だって社長や頭取やってんのは伶士の父さんじいさんだろ。おまえはただの息子」

「………」


颯太にとっては、俺の腹に抱えた秘密は公然の秘密になっていたようだ。

だとすると、そこに神経張ってた俺、滑稽じゃない?

何だ…。



「…そういうワケで、俺達は偏見の目はなし。わかったらウニイレやるぞ」

「あ、うん…」

偏見の目…瞳真くん、どこまで颯太に喋ったんだ?

俺の身近にいる友達だからこそ、喋ったんだろうか。



おせっかい。



でも、颯太は事情をわかった上でそう言うけど。

他の三人も、何ら気にしていない様子だ。

俺が思うほど、みんな、俺の家柄だの関係なかった。



俺の警戒心、いったい何だったんだろう。



でも、同時にホッとさせられる。

肩がガクッと下がって、ため息が出るくらい。

麗華さんの言ってたことは、本当だった。



颯太もみんなも、俺自身だけを見て、友達で居てくれてんだ。



何だ…。



胸の支えが取れて、思わず笑みが溢れた。