「…で、用件はいつものヤツだったわけ。そして何故かチカ同伴?」



昼休み真っ最中の出来事。

チカと一緒に教室に戻ると、颯太が紙パック牛乳を啜りながらニヤニヤと笑いかけてきた。

「俺は現場目撃しちった。うふっ」と、チカも笑いながら俺を椅子に座らせてくる。



「伶士、全国大会終わってからモテモテだなー。テレビ効果でしょ」

颯太の隣にいる陣内は、雑誌を読みながら同様に笑っている。

「あのロッカールームの番組が女子のハートを掴んだらしい」

「あぁー。水口さんの胸の中でぴえんするヤツかー?」

「…その話やめろ!恥ずかしい!」

「まあまあそうムキになるな。悔し泣きは青春の証」

「…そぉーなのでありますっ!」



すると、俺達の輪の中に、突然乱入してくる。

あっ。美森。



「孤独も努力も報われないこともあるその悔し涙に、数々の女子は心を奪われたのであります!…それに、水口先輩の胸で慰められる伶士のその画は撮れ高十分…これからは、この二人を看板としてサッカー部を売り込んで知名度を上げ、部の予算をガッポリ頂くという算段で…と、この間、マネージャーミーティングで方針を決めたのであります!」

「……」