「…じゃ!」


そう一方的に事を告げて、薫はそそくさと車に乗り込んでいく。

あっ、ちょっと…!

と、その真意を問う間もなく、車は発進してしまい、中から手を振る薫がチラッと見えた。



あっという間に消えていった、車の跡を呆然と見送る。



復縁チャンス…?

…って、これから何をどうするつもりなんだ、薫は。



首を傾げながらその場を去り、カフェへと踵を返す。

なずなの待っているカフェへ。



って、まだいるよね…?



まさか、もう帰ったとかないよな?



(…やばっ!)



あり得る…!



そう思うと、早歩きになってしまうのでありました。