「まあいい。…あんたはあのペテン師兄貴に出くわした際、伶士が悪霊に襲われて大変そうだったという話を聞かされるんだ。『ボディガードまで付いていて大騒ぎ!』だなんてな?」

「………」



え…そのカフェテリアで会ったって話。

俺はさりげなく、薫から聞いてたけど。

なずなが知ってるのは…なぜ!



って、それは愚問だ。



守護霊さんから聞いたというのは、本当なのか…!



「…で、その話を聞いて、あんたは考えたんだ。このネタを利用して、自分も悪霊で困ってる風にして伶士に相談を持ち掛けよう…と」

「は…はぁ?何で私がそんな!」

「後ろにいる大阪のおばちゃんな守護霊さんが言ってるぜ?『この子ったら、悪霊で困ってるって嘘ついて元カレに相談して近付こうとしとるんや!嘘はあかん!あかんのやあぁぁっ!』って、興奮してる。ヒョウ柄は好きだけど、嘘は嫌いなおばちゃんなんだな」



ヒョウ柄好きって…守護霊のおばちゃん、ヒョウ柄の服でも着てんの?



「…で、おばちゃんの言うこと信じないワケじゃないけどさぁー?捜査には裏付けが必要。ってなわけで。あんたの精神世界を覗かせてもらった。おばちゃんの言うことが本当か確かめるため」