「もし、これが障気…霊の力によって爆発したものなのなら、こんな風に破れることは、あり得ない」



見せられた破けた首もとは。

まるで引きちぎられたかのように、いびつで糸がほつれていた。



「障気の圧ってのは凝縮されているから、その破壊力の強弱問わず鋭いもんなんだよ。…だから、もし障気で破壊されたものなら、この破けた部分は鋭利なもので斬られたかのようにスッパリと綺麗にいってるはず。…だけど、このおペン様の傷口は汚くてボロボロだ。…人間の力で引っ張られたかのように」



なるほど。

もし、霊の力によるものなら、刃物で斬られたようになっている部分が。

これは、引きちぎられたようになっているから、霊の仕業ではない。

と、言いたいんだな。



人間の力で引っ張られた…?



(まさか…)



薫の顔を見る。

薫の表情が少しばかりか、青ざめているように見えるのは俺だけか。



「…で、これは人為的なものによる出来事か?…と、思った時。後ろにいる守護霊さんがギャーギャーと騒ぎ始めた」



なずなは、薫の後ろを指差すが。

そこには何もない。

…いや、俺達には見えないのだ。