そんな様子を見て、ハッと気付かされる。



薫は…もう、わかってるのか?



この意味がわからない結果を…理解してるのか?



腑に落ちない思いで、しぶしぶと口をつぐむ。

しかし、理解が十分でない俺にもわかるよう、はっきりとその全貌が明かされた。




「…まず、私は最初に彼女の霊視をした。彼女が生き霊、悪霊の何かに取り憑かれているなりするならば、この時点で何かがわかる。でも…」



そう話すなずなは、薫の方をチラッと見る。



「…でも、何も見えなかった」



何も…見えなかった?



「しかし、今は朝。霊力の弱まる時間帯でもあるし?ちょっと賢い霊なら身を隠すことの出来る時間帯だ。…そこで、私は物証調査をした」



なずなが指差したのは…痛々しい姿をしたペンギン様のぬいぐるみ。



「…もし、これが霊の障気によって爆発したものなら、必ず痕跡が残ってるはず。けど…障気のカケラもないどころか」



痛々しいぬいぐるみ様を手に取る。

しばらく見つめた後、その辻斬りされた傷口…破けて綿が飛び出している部分を俺達に開いて見せる。