俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

「…しゃあない。ぬいぐるみを霊視して残留思念を読み取るか」

「ぬいぐるみを霊視?」

「まあ、モノ相手だから、サイコメトリーってやつだよ。人間とは違って、モノは霊気の波動が弱いから難しいんだけど」



そして、ペンギン様のぬいぐるみの頭にそっと触れる。

目を閉じて、ぶつぶつと唱え始めた。



すると、ぬいぐるみに触れているなずなの指がパチパチと電気のショート音がする。

薫は「え?静電気?」と呟いていた。



この音は、霊気と霊気がぶつかり合って弾ける音…らしい。



ぬいぐるみに手を当てたまま、眉間にシワを寄せて目を閉じているなずな。

俺達は緊張感を持って、黙ってその様子を見守るのみで、パチパチとした音だけが響いていた。



何が、見えてるのだろうか。




…しかし、その内容は。

なずなに対して都合の悪いことを伏せるようなことをしてしまった俺を。

震撼させる。



やましいことは、すぐに暴かれる。

ヒーローの手によって。





なずながパチッと目を開ける。

ぬいぐるみからそっと手を離すと、パチパチとした音は鳴り止んだ。