俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

そう言って、咲哉さんはカウンターへと戻って行く。

何か…慣れてるな。

普通の一般の店員さんなんだよね?



「…ちょっと、今から障気を炙り出す」



なずなはそう言いながら、先ほどお借りした筆ペンを手に取り、半紙に滑らせる。



「パッと見、障気全然感じないんだよな…」



そう呟きながら、半紙にすらすらと書き上げたものは。

中心に円を大きく二重に書き、その間やら円の中、外に漢字やら、明らかに日本語ではない文字が、一杯に敷き詰められている。

魔法陣?

何だか、陰陽師らしい一作だ。

これも…陰陽師小学校の書道の時間に練習したモノなんだろうか。



その作品を、テーブルの中央に置く。

そして、辻斬りされたペンギン様のぬいぐるみを円の真ん中に置いていた。



「…ちょっと失礼」



指を二本立てて、印を結ぶ。



「ナウマク・サンマンダ・バザラダン…」



真言を呟くと、その魔法陣が徐々に紫に光り出している。



「…オン・ボダロシャニ・ソワカ」



そして、一気にバッと光を放った。