俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~


ホント、どこまでもバカにしやがるな?

だって物凄く痛々しいじゃないか。

あぁ、可哀想。ファンシーなデザインで愛くるしいから余計に可哀想だ。

…哀れむこの思い、顔に出てたのか。



ケッケッ…と、悪そうな笑いを引きずりながら、そのペンギン様の変わり果てたぬいぐるみを手に取るなずな。

だが…。



「………」



途端に、顔色が変わった。



そして、無言のままそのぬいぐるみを手に取り、色んな角度から見回す。

綿が飛び出した部分も、念入りに見ているようだ。



「………」



そして、黙ってぬいぐるみを凝視する。



な、何?この緊張感…。

誰も何も喋らない。

なずなもマジな顔してるし…。



そして、顔を上げてカウンターの方を向いた。



「…咲哉くん、筆ペンと半紙貸して」

「ほいほーい」



なずなに頼まれて、店員の咲哉さんは速やかにカウンターから出てくる。

筆ペンと半紙を持っていて、なずなに渡していた。


「結界は?どうする?」

「いや、そこまでのことはしないから大丈夫。でもお客さん来たらお願い」

「わかったよー」