「………」
なずなは、しばらく薫を見つめた後。
そのままふと目を逸らす。
「………」
…何かを考え込んでいる?
しかし、すぐ視線を戻す。
「…よし。次」
「え?」
「うん、次。あれ見せて。おペンのぬいぐるみ。辻斬りされてたやつ。頸動脈がズバァーンいったやつ」
「あ、あ…はいっ!」
なずなのペースに引っ張られ、薫は慌てて紙袋を手に取る。
「これです…」
そして、出てきた。
変わり果てた姿の…ペンギン様。
首から綿がブシャー!と派手に飛び出した、とてもお可哀想な姿だ。
あぁ…何度見ても痛々しい。
「おわー。相当派手に殺られてるね」
そのお可哀想な姿を目にしたなずなだが、何故か笑いを堪えている。
おい。
「何がおかしい。何が」
まだしつこく笑いを堪え続けているなずなに、ついムッときてツッコミを入れてしまう。
俺の方を見たと思ったら、もう一度ブッと吹き出しだぞ。
バカにされてる感満載だ。
ヤツ…!
「…いやー?このおペンを見る伶士の本気の悲しみの表情がマジウケんですけどー?」
「…こらぁぁっ!」



