「もっと ちゃんと 落ち着いてから 言うつもりだったのに。」

と務は 照れたような 膨れたような顔をした。

「何で? 違うでしょう? 務 今 彼女いるんじゃないの?」

私は 動揺して 同じ言葉を 繰り返す。


「笑わないで ちゃんと聞けよ。」

と言って 務は 言葉を切る。

黙って 頷く私。


「俺 無理やり 取引先の娘を 紹介されて。付き合っている訳じゃないんだ。」

「それって お見合いってこと?」

「親が 早く 結婚しろって 煩いんだ。」

「務は 気に入ったの? その人のこと。」

「気に入るも何も。男から断ったら 失礼だからって言われて。でも まだ2回しか 会ってないし。何も してないからね。」


私は 務の言葉に 驚いたり 笑ったり。

務の家って 結構 名家だったりするの?