「いってきます!」 「いってらっしゃい夏蓮、 気をつけて行ってきてね」 「わかってるー!」 ーーそれが人間として話せる最後になるなんて思わなかったの。 急いでた。 飛び出した。 馬鹿だった。 世界は逆さまに。 そしてゆっくりにーー。 ドサッ コンクリートに叩きつけられる。 痛い。 ううん、嘘、痛くない。 違う。 痛みが分からない。 あぁ、死ぬんだーーー。