side海俚


みこがいなくなった。


そのことに気づいた俺は慌てて他のやつにも伝えて、モールの中へ駆け出した。


元はと言えば、俺が周りをよく見ていなかったから、みこが疲れていたことにもなかなか気づけなかった。


・・・くそっ。こんなときでも、女からの視線が気になって仕方ねぇ。


早く見つけねえと、あいつが危険だ。
10分ほど探したが、なかなか見つからねえ。


たまたま近くを探していた奏音に声をかける。


「おい!見たか?」


「いや、みこ姉に電話しても繋がらない!」



クッソ!誰が連れて行きやがった! 

正直、俺はイラだっていた。


周りの女が俺を見る目が、俺を責め立てているような気がして、仕方なかった。


奏音と探し回っていたとき、紘基から連絡がきた。


紘「やっと見つけた!1階のC階段の裏だ!」


奏「了解!すぐ行く!」


海「奏音、急いでいくぞ!」


俺らがそこに着いた時には、みこは泣いていた。
紘基が肩を支えているが、少し震えているのが見える。


よっぽど怖かったんだろうな・・・。


少し躊躇いながらも、俺はみこの頭に手を乗せ、ぽんぽんと2回たたいた。


すると、安心したような笑みが見えて、俺の顔にも笑顔が浮かんだ。