side 爽一郎



寝たな・・・。


スースーと気持ちよさそうな寝息を立てて寝るみこを、俺のベッドに寝かす。

誰かの体温が恋しいのか、俺の手を離さない。



・・・・くそっ!俺のせいで・・・。



俺がもっと気をつけていれば、みこが怖い思いをすることはなかったはずだ。

上条に目をつけてなかったことが、本当に悔やまれる。



俺が紘基から連絡を受けたとき、抑えようのない怒りが湧き上がってきて、すぐに生徒会室を飛び出したものの・・・。

思った以上に居場所の特定に時間がかかった。



そのせいで、みこのところに行くのが遅れた。



みこを押し倒していた上条を蹴り飛ばして、震える体を抱きしめて、ようやく深く息が吸えた。


みこがいなくなって、生きた心地がしなかった。




・・・今まで悩んできたことを、話すときかもしれないな。



このまま、この学校にみこが在籍するには無理がある。


女の子であることがバレた以上、今日みたいな事がまた起きるとも限らない。



みこにとっても、不安材料が多すぎる。


『男子校』に女子が来ること自体危険なのに、こんなに美形となると、その危険は倍増する。



そして、本人がそれを自覚していない。



俺的には嫌だけど・・・・





・・・『転校』という手段を、とった方がいいかもしれない。