「すごかったね!あんなに高く飛べるなんて!」
「めちゃくちゃ楽しんでたよね。」
「だって、イルカショーがあんなに楽しいとは思ってなかったんだもん。」
「でも、楽しんで見れたから良かったんじゃない?みこ、かわいかったよ?」
「っ!も、もう!爽、不意打ち禁止!!」
「じゃあ、これからたくさんかわいいって言うよ。今、宣言しとく。」
「うあ・・・爽には太刀打ちできないよ・・・。」
「ははっ!みこの顔真っ赤でかわいい。」
「頼むからこれ以上心臓を暴れさせないでよ・・・ただでさえドキドキしてるのに。」
「そういうことを言うところがかわいいんだよ?俺だって心臓バクバクなんだから。」
「・・・嘘だ、絶対。」
「本当だって。ほら、心臓の音速いでしょ?」
そう言うと、私の顔を胸に押し付けてきた。
急に近づいた距離にドキドキして、爽の音が上手く聞こえない。
でも、私の心臓とは違う、爽の心臓の音も速いことはよくわかった。
「みこ、ちょっとそのまま聞いて。」
「うん?どうしたの?」
少し低くなった声のトーンから、真剣な感じがした。
「俺さ、亮さんに生徒会に誘われてるんだ。だから、これから2人でいられる時間が減ると思う。」
「うん・・・。」
「もし、みこが不安になった時とか、辛い時に傍に居られないかもしれない。」
「うん・・・。」
「だからと言って、俺はみこを手放す気もないし、誰にも譲らない。」
「っ!」
「だけど、そのことでみこが辛くなったらきちんと言って。俺もできる限り、2人の時間を取れるようにするから。」
「うん・・・わかった。」
「約束。溜め込むのは禁止。なんか不安になったらすぐに言うこと。遠慮はいらない。」
「うんっ!ありがと、爽。」
「こんな俺だけど、これからも彼女でいて欲しい。・・・なんか、プロポーズみたいになったな。」
「ふふっ、爽の想いは受け取ったよ。私も、爽が辛い時は頼って欲しいな。私も爽の力になりたい。」
「うん。みこがいてくれるだけで十分だけどね。俺は。」
「なら、私は一生離れないよ?・・・えへへ、なんか本当にプロポーズみたい。」
「大好きだよ。みこ。」
「っ!・・・私も、大好き。」
2人してクサイ台詞を言ったけど、本心でもあるから、言ってよかったと思う。
そのあとも、手を繋いで館内をブラブラして、昼の3時頃には水族館を出た。
爽が『着いてきて』って言ったから、着いていってるけど・・・。
なんでこんなに山を登ってるの?