side 爽一郎


昨日、俺の前で泣きじゃくっていたみこ。


本当、どこまで我慢していたのやら。


ふとした瞬間に悲しい顔をしていたり、涙目になっていたのは、このことが原因か。


本人の中でまだ、消化できていない想いがあるんだろう。


誰かに助けてほしいときも、頼れる人がいなくて1人で抱え込んでいたのかもしれない。


昨日は結局、デートのことは決められなかったけど、みこが辛いときはそんなこと関係ない。


溜め込んでいたものを爆発させることでちょっとでも楽になるなら、俺は手伝う。


腕の中で眠るみこは、目は腫れているし涙の跡もあるし、整った顔は台無しだ。


それでも、かわいくて、愛おしくて、守りたい存在。


おでこにそっと口づけると、長い睫毛がフルリと震えて目を開ける。