side 未来音


文化祭が終わって、振替休日の今日。


みんなが買い物に行きたいと言ったから、近くのショッピングモールにやってきた。


月曜日ということもあって、人は少ない。



みんなで服を見たり、アクセサリーを買ったりしているうちに、お昼ご飯の時間になった。


ハンバーガーショップでセットを頼んで、席に座って待つ。


文化祭のことや、今日買ったアクセサリーについて話していると1人の女の子がやってきた。



「あ!そうちゃんだ!久しぶり!」


「え、もしかしてその声、奈留?久しぶりだな。」



誰だろう。爽の知り合いみたいだけど・・・。


私たちそっちのけで盛り上がる爽と女の子。

"そうちゃん"って、特別感がある響きが何度も耳朶を揺らした。

しかも、女の子は爽の腕にくっついている。

それを見ているだけで、胸が苦しくなった。



それが顔に出ていたんだと思う。

紘基が心配して、声をかけてくれた。


「みこ、もしかして嫉妬してるの?」


・・・そっか。この胸の痛みは嫉妬なんだ。


「あの子はなんで爽にくっついてるの・・・。」


彼女じゃないのに、くっつかないでって言いたくなる。


「みこ・・・こっちおいで。」


優しく言ってくれる紘基に、少し甘えることにした。