何人かの視線を感じながら、爽を呼ぶ。


「どしたの?なんかあった?」


「あ、奏音がこれ試着してほしいって。」


「わかった。ちょっと待ってて。トイレで着替えてくるから。」


「じゃあ、トイレの前の廊下で待ってる。」



2人でトイレまで行って、私は少ししゃがみ込む。


なんだかんだずっと動いてて、疲れてる。


体調が悪くならないように気をつけなきゃ。


しばらくぼんやりしていると、お待たせという声がした。


爽の方を見て、私はフリーズした。


そこには、燕尾服を身につけた爽が立っていた。