「すっっっっごく可愛い〜〜!!!」
そう言って、ギューっと抱きついてきた陽揮。
最近気づいたけど、可愛くても陽揮は男の子だから力はある。
おかげで、抱きついてくるたびに首が締まるからかなりしんどい。
何回か、お母さんが川の向こうで手を振ってたし保健室に運ばれたこともある。
しかも、今はストッパーである爽がいないから余計に締めつけられる。
私が息を上手くできてないことに気づいた奏音が止めてくれなかったら、危うく死ぬとこだった。
そして、陽揮を引き離すと奏音は顔を背けた。
「まあ・・・似合ってるよ・・・。」
ひと言そう言うと、赤くなっている顔を見せまいとするように、ガシガシと前髪をいじる奏音。
久しぶりに奏音のツンデレを見た。
やっぱり可愛いなぁ。
そのまま、3人で歩き出す。
廊下を歩いていると、周りからの視線がすごい。
さすがに恥ずかしくて、そそくさと教室に入った。
はぁーっとため息をついて、周りを見ると、何故か静まりかえっていた。