寮に戻るために荷造りをしていた私に、泣きそうな声で電話をかけてきた人物がいた。
「みこー、助けて・・・。俺死にそう・・」
その人物は、意外にも爽だった。
「何があったの?状況が掴めないんだけど」
「俺さ、陽揮に頼まれて宿題手伝ってるんだけど、さすがに多すぎて終わらない!」
電話の向こうでてらっちとハルくんが言い争いを始めたらしくて、爽が怒っている。
爽が本当に疲れた声をしていたから昨日から手伝ってるんだけど・・・。
「無ー理ー!もうやりたくない!」
「ああっ!陽揮が寝た!それは許さん!」
・・・こんな状態です。
ハルくんは成績優秀だけど、宿題が嫌いらしくて、ずっとグズグズしてる。
しかも、ひのりんと奏音までやってなかったみたいで、昨日から缶詰状態。
まだ帰ってきてない悠くん以外の3人で、マンツーマンで手伝ってる。
みんな成績優秀だから飲み込みが早いのは助かるんだけど、量の多さに圧倒されて全く進まない。
ちなみに私は奏音に教えてる。