私と奏音にとって、大切な人。
1番はお母さん。
この地位は、私と奏音がもっと大切な人を
見つけるまできっと変わらない。
お母さんが亡くなってすぐは、毎日何もしなかった。
というより、出来なかった。
何をしようにも、お母さんの笑顔や「未来音」って呼ぶ優しい声がして、寂しくなって、泣いていた。
正直、生きているのが辛かった。
それでも死ななかったのは、奏音がいたからだと思う。
もし、私が死んだら、奏音は本当にひとりぼっちになる。
絶対に自分を責めて、奏音まで死んでしまう。
それは、お母さんが許さないと思ったから生きていられた。
今は、周りに信頼できる友達がいて、お母さんみたいに包み込んでくれる家族がいる。
だから、この人生を楽しもうと思えるようになったんだ。
・・・ねぇ、お母さん、私は、少しは強くなれたかな。笑って見てくれてるかな。
・・・本当は、今すぐぎゅって抱きしめてほしいよ。頭撫でながら、よく頑張ってるねって褒めてほしいよ。
だけど、何十年か我慢するから、
絶対そっちには行かないから、
・・・見守っててね。私のこと。