「明梨さ、早く支度しろよ。今日はTODOMEKI(トドメキ)に行く日だろ」


「行くの……ムリかも……」


「はぁ? なんでだよ?」


「だって今日の数学の宿題……終わらなそうだし……」


珀斗くんって明梨ちゃんにも、目を吊りあげての上から目線なんだね。

でも女の子は、強引系グイグイ男に惹かれるのかな?

クラスの女子たちが、珀斗くんを見てうっとりしているし。

俺にはない魅力だよ。


その時、珀斗くんが表情を一変させた。


「ったく。明梨、トドメキに宿題持って来いよ。数学ぐらい俺が教えてやるから」



ひえぇぇぇぇ!


言葉は乱暴。

なのに行動は正反対。

妹を可愛がるような優しい笑顔をうかべた珀斗くんが、明梨ちゃんの頭を撫でている。