私の心臓は、壊れたオモチャ化しちゃったらしい。

四方八方に飛び跳ねだして、収まる気配がない。


テレながらお願いされたら、ダメなんて言えないよ。

逆に思っちゃうんだから。

桃瀬さんじゃなくて、明梨ちゃんって呼んで欲しいって。

アミュレットの司会をしていた、あの頃みたいに。


「……いいよ。私の呼び方。なんでも」


「ほんと?」



素直になれない私の瞳をまっすぐに捉えて、恥ずかしそうに微笑んでくれた雅くん。


「すっごく楽しいよ。明梨ちゃんとまた、おしゃべりできて」


……照れ交じりの甘い声で囁いてくれた。


……明梨ちゃんって。


嬉しくなった私の心臓は、さらに激しく暴れだしてしまいました。