「それなら……別のお願いを……聞いてほしい……」


自信なさげな、途切れ途切れの声。

ふと雅くんを見ると、なぜか顔じゅうが真っ赤になっている。


ちょっと。

真っ赤な顔を隠すように、手で口元を覆うのはやめてくれないかな。

恥ずかしさが伝染して、私の頬が火照ってきちゃうから。



「二人だけの時は…明梨ちゃんって…呼んでも…いい?」

「……っ」

「中学の時みたいに」



ひぇぇぇぇぇ??!!

だから雅くん、その表情はやめてってば。

普段ファンに向ける、さわやかな笑顔と違いすぎ。


耳まで真っ赤になって。

恥ずかしそうに上目遣いで。

自信なさげに私を見つめてきて。

瞳がウルウルの、おねだりワンコみたい。



かっ……、、、可愛い……