「桃瀬さんをここに呼んだのは、3年前のことを謝りたかったのと、お願いしたいことがあったからなんだ」


「私にお願い?」


「学園祭のアミュライブの司会、やってくれないかな?」


えっ? 私が?


「で、ででっ、できないよ。ステージに立っても、また声が出なくなっちゃうかもって思うと……怖くてたまらないから……」


「そっか、そうだよね。いきなりワガママなお願いなんかしてごめんね」



だから雅くん。

そんな辛そうな顔をしないで。


雅くんに悪いところなんて、何もない。

無残な黒歴史にビクビクしながら生きている、弱虫の私が悪いんだから。