涙腺が緩むのを痛みで止めたくて、太ももを強く殴っていると 「桃瀬さん」 突然私の手首が、暖かいもので包まれた。 拳の力を抜き、顔をあげる。 私を慰めるかのように穏やかに微笑む雅君は、私の手首を思いきり引っ張った。 「俺について来て」 雅くんに掴まれている、私の手首。 脈がドクンドクンと、飛び跳ねているのがわかる。 ドキドキしていること、雅くんにバレちゃいそうで困るよ。 熱を帯びている顔を見られたくない私。 うつむいたまま、雅くんの後ろを歩く。