「桃瀬さんの司会、すっごく上手だって思ってたよ」
「でも実際、向いてなかったし」
「そんなことないよ。だって桃瀬さん、俺たちのライブを盛り上げるために頑張ってくれてたでしょ?」
「……人一倍努力はしていたつもりだけど」
「ライブごとに曲紹介コメントを変えて、お客さんの反応を見たり。ライブを録音しておいて、どこが良くて悪かったか徹底的に研究してたよね? 感心してたんだよ。俺たちのライブのために、そこまでしてくれているんだって」
「でもライブの後には、いつも思ってた。私の司会が、アミュレットライブを盛り下げているって」
「そんなこと……」
「雅くんは相変わらず優しいね。でもね、お客さんの顔を見たらわかっちゃうもん。そんなお客さんの視線に、耐えられなくなって。ステージで声が出なくなっちゃった……。完全に……司会者失格だね……」



