講堂はいつも、鍵がかかっている。

開くわけないよね?

軽い気持ちでドアを押す。

おっと……

簡単に開いてしまったことに、私はしばらく口を開けたまま固まってしまった。



講堂は全生徒が入っても、余裕なくらい広い。

板張りの床スペースの奥に、ステージがあるだけの場所。


誰かいますかぁ?

360度ゆっくりと見回したけど、人の気配は全くない。


やっぱりイタズラだったのかぁ。

緊張が解けたと思いきや、講堂の中を見回してズキり。

鈍い胸の痛みに、襲われてしまった。


「講堂かぁ……できればここには、一人で来たくはなかったなぁ」