「昨日は明梨ちゃんの隣にイケメン総長がいたって、泣きながら電話をかけてきたけど。今日は、何があったわけ?」


「明梨ちゃんに、酷いこと言っちゃった」


「雅が?」


「他の女子が明梨ちゃんに聞いたんだよ。学園祭ライブでアミュレットのどの曲を歌ってほしいかって。答えてくれたから……俺……明梨ちゃんに話しかけたのに……」


「すっげー! 雅が明梨ちゃんに話しかけたのか? なんて言ったんだよ?」


「その曲、歌ってあげようか?って」


「雅、やるじゃん! 花丸級に頑張ったな!」


弾むような綾星の明るい声。

褒められてるのに、俺の心はドヨンと沈んだまま。