☆ ☆ ☆ 「綾星(あやせ)…… 俺……俺……」 夜、綾星に電話をかけた俺。 「今夜も情けない声で電話をかけてきて。雅はどこから電話してるわけ?」 「……アパート……から……だけど」 「どうせ猫みたいに、真っ暗なクローゼットの隅でうずくまってるんだろ?」 「……当たり……です」 幼馴染の綾星には、俺の居場所までわかってしまうらしい。 子供の頃から辛いことがあるたびに、暗くて狭い場所に逃げ込む癖があるからだろうな。