綾星(あやせ)…… 俺……俺……」


夜、綾星に電話をかけた俺。


「今夜も情けない声で電話をかけてきて。雅はどこから電話してるわけ?」


「……アパート……から……だけど」


「どうせ猫みたいに、真っ暗なクローゼットの隅でうずくまってるんだろ?」


「……当たり……です」


幼馴染の綾星には、俺の居場所までわかってしまうらしい。

子供の頃から辛いことがあるたびに、暗くて狭い場所に逃げ込む癖があるからだろうな。