「あっ……ごめん。他の人の曲と間違えちゃったかも」 「もう明梨ったら。相変わらず可愛いなぁ、アハハ~」 恥ずかしい…… 恥ずかしすぎる…… 本人の前で、違う人の曲を言っちゃったなんて…… 雅くんは呆れたように、目を見開いて固まっているし。 逃げたい! この状況から逃げ出したい! その時、雅くんの芯のある声が私の耳に届いた。 「歌ってあげようか?」 「え?」 「桃瀬さんが聞きたい曲、学園祭で歌ってあげるよ」 真顔のまま、私だけを見つめている雅くん。