へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目

一瞬、目が合っただけ。

すぐにそらされちゃった。

でも……


体中の神経が過剰反応。


心臓がドキュンと高鳴りだして。

「そんなに速くて大丈夫?」

心配になるほど、手首の脈がタッタカ駆けている。



火照ったのがはっきりわかる、自分の頬。

大丈夫かな?

リンゴみたいに真っ赤になっていないかな?



体温が1度くらい上がった気がしたけど、現実を目の当たりにした瞬間、その熱も一気に下がっちゃった。


雅くんは、みんなに笑顔を振りまいている。

でも私にだけは、ピクリとも笑ってくれないから。




そうだよね……

雅くん、私のことなんて大嫌いだよね……



お客さんを楽しませることを、雅くんは大事にしている。

あの頃の私は、身に染みてわかっていたはずなのに。


本番中のステージから逃げ出して、ライブを台無しにしちゃった私。


そりゃ、怒っていてもしかたないよね?