へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目


 部屋に取り残されたのは
 俺と明梨ちゃんと
 ピスタチオグリーンのワンピース。


 明梨ちゃんはワンピース入りの紙袋を
 ローテーブルの上に置くと、
 俺との距離を1メートルほど開け
 またベッドに腰を掛けた。


「……着てほしい?」


「え?」


「雅くんは私に……着て欲しい?
 そのワンピース……」


 着て欲しいか欲しくないかって言ったら
 100%着て欲しいよ。


 でも……

 明梨ちゃんが嫌なら
 無理やり着てなんて言いたくない。


 だってやっと明梨ちゃんが
 俺だけのものになってくれたのに。

『やっぱり別れる』なんて言われたら
 俺、ステージで歌うなんて
 一生できないくらい落ち込むと思うから。


「明梨ちゃんは着たくないんでしょ?
 それなら、ムリして着なくてもいいよ」


「私がムリしたら……」


 恥ずかしそうに頬を赤く染めた
 明梨ちゃん。

 ムリしたら、何?


「私がムリしたら……
 もっと私のこと……
 好きになってくれる?」


 ひぇ!! 
 か……かわいい……


 今のセリフ、
 俺の心をズバンと射抜かれたくらい
 キュンキュンきた!!


 なにこの、かわいすぎる甘え。


 明梨ちゃんって
 俺が予想もしないところで
 いきなり甘えてくるよね?


 胸がギューっと絞られるような
 甘い胸の痛みに襲われたんですけど。


 苦しい。苦しすぎる。
 明梨ちゃんが可愛すぎて、胸が苦しい……