へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目


 情けない俺が
 心の中を占領しきっちゃいそうな時
 部屋の外から陽気な声が。


「明梨~ おやつ持ってきたよ!」


 明梨ちゃんの叔父さんの突然の声に
 ドキリ。


 あまりにビックリして
 俺はつないでいた手を
 頭の上までふりあげた。


 明梨ちゃんは明梨ちゃんで
 「入ってもいいよ」とたどたどしい声を
 だしながら、
 さりげなく俺との距離を広げた。


 そんな俺たちの異様な空気に
 恋都さんが気づかないはずがない。


「おじゃましま~す。
 あれ?
 おやつ持ってくるタイミング
 悪すぎだった?」


「そ……そんなことないよ。
 ねぇ、雅くん」


「あ……うん」


 二人でごまかすように返事をしたけど。

 恋都さん。
 疑わしい目で俺たちのこと見てるし。


「もしかして明梨と雅くんって……
 付き合っちゃったりしてないよね?」


 ドキリ。
 
 正解。鋭すぎ。


 恋都さんに何か言わなきゃ。
 でも……なんて言えば……


 考えれば考えるほど、頭の中が真っ白。


 明梨ちゃんは
 困った顔でうつむいてるし。

 恋都さんは
 俺たちの心の中を覗くように
 探偵並みに目を光らせているし。


 どうしよう。どうしよう。


 勢い任せに俺の口から出たのは。

「明梨さんと
 お付き合いさせてください!!」