ふと明梨ちゃんを見ると
何かを考えるように
強く唇を噛みしめている。
もしや……
『手さえつないでくれない』って
俺、嫌われた?
『雅くんはヘタレすぎ』って
愛想つかされた?
急にフラれる怖さが襲ってきて
俺は体中に潜む勇気をありったけ集めて
明梨ちゃんの手のひらを
優しく握りしめた。
やばい。やばい。
触れている部分は手だけなのに
俺の体中の熱が一気に上がってきた。
心臓なんて
トランポリンの上で飛び跳ねてるの?
ってほどの勢いで
肌にぶつかってくるし。
手をつないだだけで
心臓が潰れそうなんて、
俺のハート、もろすぎじゃん。
情けないくらい
弱気モードが加速中。
明梨ちゃん。
今、何を考えてるの?
こんな手のつなぎ方で大丈夫?
それとも、もっと何か
俺に期待してる?
例えば、抱きしめて欲しいとか。
キスして欲しいとか。
そんなこと期待されていたとしても
今の俺にはムリ。
手をつないだまま
動けなくなっちゃった俺には
絶対にムリ。



