「お願いしたよね?
俺のこと、ちゃんと見てって」
「……うん」
頷いているのに。
まだ、うつむいたまま。
「俺のお願い、聞いてくれないの?」
ドロ甘な声を
明梨ちゃんの耳に吹きかける。
明梨ちゃんはビクンと肩を揺らすと
ゆっくりと俺を見上げた。
心臓がバクバクしてくれているのが
丸わかりなほど、
真っ赤に染まった頬。
俺だけが映る瞳。
「お願いって……なぁに?」
透明感のある明梨ちゃんの声が
耳に入るだけで、
神経がとろけそうになる。
幸せすぎて、どうにかなりそう。
「教えて。
俺のこと、どう思ってる?」
明梨ちゃんは恥ずかしそうに
瞳を床に落とすと、
口を小さく動かした。
「……き」
だから。
耳まで真っ赤に染めて
モジモジしてる姿も
たまらないから。
「ダメだよ。
俺の目を見て、言ってくれなきゃ」
「雅くんって……悪魔だね」
「嫌いになった?」
「ううん…… 大好き……」



