へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目


 俺は耳を塞ぐ明梨ちゃんの手のひらに
 自分の手のひらを重ね合わせた。


 お願い。

 今だけでいいから。
 俺のこと、ちゃんと見て。


 まるで俺の心の声が届いたかのように
 明梨ちゃんは顔をあげ
 潤んだ瞳で俺を見つめた。


 ダメだ。

 明梨ちゃんの涙で揺らめく瞳を見ると
 気持ちが抑えきれなくなる。


 永遠に
 この瞳が俺だけを見つめて欲しいって
 思ってしまう。


 耳を塞いでいた明梨ちゃんの手を
 そっと頬に下ろすと、
 俺はその手を絶対に離したくなくて
 逃がさないように手のひらでギュッと
 包み込んだ。


「俺のことだけ……見てて欲しい……」


「……」


「そうしないと俺……
 嫉妬で思ってもいないこと……
 明梨ちゃんに言っちゃうから……
 この前みたいに……」


「それって……どういうこと?」


「明梨ちゃんのことが
 大好きでたまらないってこと」